スギ薬局が起こした調剤ミス。
この調剤ミスのせいで死亡したとして、亡くなった田村マキさん(当時74歳)の遺族が約3850万円の損害賠償を求める裁判を起こしました。
信頼した薬を飲んで亡くなるなんて、本当にショックですよね。
ましてや薬局の調剤にミスがあるなんて、処方された側も確認しなければならないのかとぞっとします。
こちらの記事では、調剤ミスを起こしたスギ薬局はどこなのか、また事後の対応への批判の声を調査しました。
調剤ミスを起こした薬局はどこ?
引用:RPARKくすりの窓口
亡くなった田村マキさんは、東京都杉並区に住んでいたと言われています。
訴状によると、体が動きにくくなる持病があった田村さんは訪問診療を受けていた。
2021年10月18日、医師から出された処方箋をスギ薬局の都内店舗に送り、この店で調剤された薬が担当者によって自宅に届けられた。
弁護士ドットコムニュース
こちらの記事から推測すると、田村さんは処方箋を都内の店舗に送り、その店で調剤された薬を自宅に届けてもらっていたようです。
可能性として高いのは、自宅のある杉並区のスギ薬局ではないでしょうか。
杉並区のスギ薬局は何店舗?
杉並区のスギ薬局は9店舗あります。
その中に、スギ薬局 在宅調剤センター杉並店があります。こちらが可能性として1番高いと考えられます。
杉並区のスギ薬局は、6店舗が調剤薬局併設型のドラッグストア、3店舗が調剤薬局です。
杉並区のスギ薬局一覧
- スギ薬局 阿佐ヶ谷店:杉並区阿佐谷南1丁目36番4号 三幸ビル1階
- スギ薬局 上井草店:杉並区上井草二丁目3番2号
- スギ薬局 宮前四丁目店:杉並区宮前四丁目22番13号
- スギ薬局 高井戸店:杉並区宮前一丁目20番29号
- スギ薬局 下井草店:杉並区下井草二丁目41番6号
- スギ薬局 杉並清水店:杉並区清水三丁目29番15号
- スギ薬局 杉並和田店:杉並区和田一丁目1番13号 富士見コーポ101
- スギ薬局 富士見ヶ丘駅前店:杉並区久我山二丁25番19号
- スギ薬局 在宅調剤センター杉並店:杉並区上高井戸一丁目25番14号
スギ薬局では在宅調剤センターを中心に在宅医療への取り組みを行っています。
介護を受けておられる患者様や、介護のために薬局に行けないご家族様など、来店いただくことが難しい事情がある場合は、スギ薬局の薬剤師がご自宅にお薬をお届けします。
引用:スギ薬局HP
亡くなった田村さんもこの取り組みを利用した可能性が高いですね。
【時系列】スギ薬局の事後の対応が悪すぎる?
【時系列】調剤ミスの概要
2021年10月18日 | 田村さんは医師から出された処方箋をスギ薬局の都内店舗に送り、この店で調剤された薬が担当者によって自宅に届けられた |
処方された内服薬を毎食後服用 | |
11月14日 | 体調が急変 |
11月15日 | 意識不明となり、救急搬送された病院で低血糖脳症が疑われた |
搬送先の病院は、内服薬の中に「お薬手帳」に記載のない糖尿病薬があったことから、スギ薬局に照会をかけたところ、調剤に誤りがあることが判明 | |
11月17日 | 田村さんの長男はスギ薬局の担当者から電話で、調剤過誤の事実を伝えられた 謝罪したいとも伝えられたが、その後の会社側とのやりとりの中で、遺族側の希望に沿う公での謝罪は断られた |
2022年5月2日 | 田村さんが亡くなる |
1年後 | スギ薬局の副社長から、健康を害したことについて「申し訳ありません」と書かれた書面が送られてきた |
2024年8月28日 | 遺族は、スギ薬局と従業員の薬剤師ら3人を相手取り、計約3850万円の損害賠償を求める裁判を東京地裁に起こした |
調剤ミスの内容
①錠剤を個包装するための機械に、田村さんの前に調剤した客の糖尿病薬が残っていたのを見過ごした。
②田村さんの調剤の際に糖尿病薬を混入させ、その後のチェック作業でもこれを見逃した。
本来は2.5錠入っているべき包の中に、2錠多い4.5錠が入っていた。
※スギ薬局は、調剤過誤の事実については認めている。
「チェックしたが見落とした」と説明しながらも、調剤過誤と死亡の因果関係は認めていない。
遺族側はスギ薬局の対応に納得していません。
遺族の疑問
「チェックしたら間違えるはずがなく、チェック自体が実施されていなかったのではないか」
事後の謝罪も曖昧で、公表して真摯に謝罪が行われることはありませんでした。
謝罪に対して
遺族側の意見
・公での謝罪を望んでいた
・できる限りの責任逃れをしている
スギ薬局側
・保険での賠償に応じる
・自社公式サイトで公表する
遺族側代理人をつとめる柳原由以弁護士は「2年前の出来事で、交渉が続いたが、スギ薬局側は亡くなられたことの責任について公表することについて難色を示したこともあり、提訴となりました。スギ薬局には、ことの重さを受け止めてほしいと思います」と述べる。
弁護士ドットコムニュース
今回の提訴を受け、親会社のスギホールディングスは、
調剤過誤の事実を認め、「亡くなられた患者様のご冥福をお祈りします。ご遺族様にも深くお詫び申し上げます」と謝罪しました。
しかしながら、「亡くなられたことは認識しておりますが、因果関係については民事訴訟を含めてご遺族様に引き続き誠実に対応していきたい。」
と、調剤ミスと死亡の関係については認めていません。
スギホールディングスは8月28日、公式サイトに「調剤過誤事案に関する民事訴訟の提起につきまして」と題する声明を出しました。
⚫︎スギホールディングスの声明全文
この度、弊社子会社のスギ薬局店舗において2021年10月に発生した調剤過誤事案(以下「本件」といいます。)に関する民事訴訟が提起されました。弊社といたしましては、誠実に対応してまいります。
本件は、誤調剤によるお薬を患者様が服用され、2022年5月にご逝去されたものです。スギ薬局グループとして、亡くなられた患者様のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、患者様のご家族様には、深くお詫び申し上げます。また、関係者の皆様にも多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
調剤過誤事案の発生以降、速やかに調剤薬鑑査の指導を全店に再徹底するとともに、調剤室の環境整備、マニュアル遵守の再徹底、倫理・コンプライアンスに関する再教育に取り組み、再発防止に向けて取り組んでまいりました。
今後につきましても、調剤過誤を発生させることのないよう店舗管理を徹底し、引き続き再発防止に向けて取り組んでまいります。
患者様のご家族様、関係者の皆様に重ねて心よりお詫び申し上げます。
スギ薬局が調剤ミス発覚後すぐに謝罪の対応をしていたら、遺族も納得できたかもしれません。
しかしながら、ミスを公にせずコソコソと隠すような謝罪をしたところが問題だったのではないでしょうか。
調剤ミスをしたスギ薬局に対する世間の声は?
「調剤ミスがミスのレベルではなく、チェックしていない可能性が高いのではないか?」
「薬をもらう方も待ち時間に対して文句を言うべきではない」
「ミスも悪いが、事後対応も悪い」
と厳しい声がありました。
具体的にみていきましょう。
スギ薬局の糖尿病混入の調剤ミスで低糖症で心臓発作と医者の診断があれば因果関係がないと強弁するのは無理がある気がする。
最初から誠意を持って対応し、損害賠償についても和解できるレベルであれば、企業イメージも悪くならなかったのではないか。
それにつけても遺族の言うようにチェックしていないというレベルのずさんな対応で原因究明と対策もやっているか不明。
個人的には、薬をもらったときにネットでも調べ問題ないか確認している。
これでスギ薬局を利用したくないと思う人が増えるだろう。
薬剤師です。高齢者には個包装をしていましたがこのようなミスを防ぐため勤務していた病院では糖尿治療薬は個包装の中には入れませんでした。どうしてもという方にはきちんと数を数え複数人で確認してから装填しました。糖尿でない方がこの治療薬を服用すれば低血糖を起こしておかしくないと思います。なぜ因果関係を認めないのか不思議な薬局ですね。
これはひどい。 低酸素脳症になったのは血糖値が下がりすぎたことに起因しているのに、素直に認めない幹部の考え方が理解出来ない。 74才で命を落とすこととなったご本人ご家族の無念さは大きいと思います。 薬剤師は医療者と言うなら、自分のミスで人の命を奪う事があると、今一度真摯に受け止めて欲しいです。
引用:Yahooニュース コメント
スギ薬局の調剤ミスで思うのは現場の人間も利用する客も調剤を焦るな急かすな。そんな時間かかるの!?とか遅い!とか急かす人はパッとだしてくれる薬局行ってください。遅くて丁寧な薬局は薬剤師がしっかり監査してる。
— ぽややま (@OUT_komori) August 28, 2024
スギ薬局が調剤ミスで提訴された件、調剤ミスよりその後の対応が悪手。
— かえる (@__kaeruGaeru) August 28, 2024
⠀
人の手や目で確認を行う以上、ミスは絶対に起こるよ…
この提訴は経営陣の判断ミスが原因として大きい。 pic.twitter.com/FyiOcYJV27
なんてことだ…本当にあってはならない調剤ミス。
— 薬に頼らない薬剤師ゆみぽ👩⚕️😈🥗🌗🐉🐯 (@yumiposmileaina) August 28, 2024
2.5錠のところ、4.5錠入っていたのは、
・そもそも監査自体していない
・分包機の掃除をしていない
・前の患者さんに薬が入っていないという二重過誤
と推測される。… pic.twitter.com/P8EMPv4KyH
調剤ミスをしたスギ薬局はどこ? まとめ
ここまで読んでくださってありがとうございます。Grazie!
こちらの記事では、調剤ミスを起こしたスギ薬局はどこなのか、また事後の対応への批判の声を調査しました。
信じられないミスで、亡くならなくてよい命が亡くなってしまった可能性があります。
薬剤師の方もストレスを感じながらお仕事をされていたのかもしれません。
しかしながら、スギ薬局はいち早く事の重大さを感じ、真摯に公に謝罪すべきだったのではないでしょうか。
専門家も死因と調剤ミスの因果関係を指摘しています。
今後のスギ薬局の対応に注目したいですね。
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